時の流れ

鴨川今日は法人設立記念日です。
最近は、オブジェでもなくクリオネ水槽でもない「新しい商品」の営業をしています。先日行った営業先の近くに、学生時代にアルバイトをしていた財団の売店があったので、なつかしく思い立ち寄りました。
ここは構内を車で移動するほどの広い敷地で、建物の位置関係は覚えていたものの色々と変わっていました。

当時の売店がコンビニに変わったことは知っていたので、コンビニで男性スタッフの方に財団の事務所の場所を尋ねたところ、ご丁寧に紙に書いて教えてくださいました。

事務所に着いて「学生時代にアルバイトをさせていただいていた者です」とご挨拶して、当時お世話になった方々のお名前を何人か申し上げました。もう既に定年のご年齢で私を採用してくださった総務のIさんは、7年程前に亡くなっていたことを知りました。Iさんとはその後も長い間年賀状のやりとりがありましたが、いつの頃からか無くなっていました。
当時、仕事中にお見掛けすると私は「ごくろうさまです」とご挨拶をしていました。Iさんは「ごくろう」というのは、もともとは殿様が家来に言う言葉だから違うよ、目上の人には「お疲れさまです」と言うんだよ、と教えてくれました。若く無知な私にとって、社会の「常識」を学んだ瞬間でした。今でもこの言葉を使うときには、当時のことを思い出します。
いちアルバイトの私を本当にかわいがっていただき、あるときには守ってくださいました。会うといつもニヤーと笑う優しい笑顔が忘れられません。また会って感謝を伝えたいと思い続けていましたが、もうかなわなくってしまいました。日頃の忙しさにかまけて、早く会いに行かなかったことをとても後悔しています。

Iさんの他にMさんのことを尋ねると「Mさんなら今コンビニにいるよ」と言われました。「え??…」。なんと先ほど道を尋ねた男性スタッフの方がMさんだったのです。
マスク姿と長い年月もあってか気づけず、再度コンビニに寄って「Mさん、下田です」と言うと、すぐに「下ちゃん!」と私のことを覚えてくれていました。勤務中でしたのであまり話せず、Mさんが「携帯教えて、また連絡するわ」ということで連絡先を伝えました。短い時間でしたが当時を思い出す嬉しい再会となりました。

財団のみなさんは、仕事に一生懸命で本当に優しい方ばかりでした。古き良き時代のひたむきさや人情がそこにはありました。

画像は京都鴨川の流れです。
人は川の流れを見ているようで時の流れを見せられているのかも知れません…。

 

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